アニメーションをどこまでリアルにできるかという挑戦

テレビも友達もこの映画を絶賛していることは知っていたんですけど、なんかブームに乗せられているようでしゃくだなあと思っていたところに不思議と昨日は友人の一言がすっと入ってきました。

映画を見て思ったのは「新海さんはアニメーションで描ける現実の限界に挑んだな」ってこと。

「新海さんの映画はリアリティに溢れている。」ということは多くの人がよく言われていて、僕も本当にその通りだと思うのだけれど、単に「映像がリアル」だからリアリティがあるわけじゃない。

もともと、新海さんと言えば「現実感溢れる映像と現実味のあるストーリー」で作品を作る人というイメージを持ってたんですが、今回の映画では今までの作品とは明らかにレベルの違う「リアリティ」を感じました。

たとえば僕が映画を見て思った「リアリティに満ちたアニメーションを作る秘訣」というのはこんな感じ。

①実在する風景を通り美しい背景で再現しているのはもちろんのこと、
新海さんの作品の大きな特徴でもありますが、四谷などの時間帯によって表情を変える東京の街並みから緑あふれる山林や夜空に浮かぶ星空といった自然溢れる風景までをとてもキレイに描いています。

②一部ではもしかしてアニメじゃなくて実写なんじゃないかと思わせるようなカットが入り、
物語の途中で「組紐」と呼ばれるミサンガのような伝統工芸品がアップで映し出されるシーンとタイル敷きの路面の上に雨が降っているシーンがありましたが、この2つのシーンは映画が終わってからでもありありと思い返せるほど実写染みていたのが印象に残っています。

③非現実が混じることで現実っぽい部分がより強調され
物語の構成も学生生活の中で主人公が入れ替わる系というよくある感じの前半部分から、中盤「えー、まさかそうなっちゃうの?」という感じに予想もしていなかった方向に話が展開していくものの、ストーリーが現実離れしていくのとは逆に映像のもたらす没入感にどんどんはまっていきました。

④物語の途中に有名アーティスト挿入歌を流し込んだこと
この映画はRADWIMPSというアーティストが歌う歌を物語の途中に挿入歌として使っていますが、「物語の途中に世間一般によく知られている歌手の歌を流す」という演出もアニメーションを見ているはずなのにドラマ(現実の世界)を見ているかのような感覚を呼び起こしました。

など、1人でいろいろ考えていました。

それに対して、僕からの感想はふたつ。

ひとつは、この映画は今までのジブリなどのアニメーションと比較して、限りなくドラマ(というか現実)に近いアニメだなっていうこと。今までのアニメ映画とは違う、映画の新しい形を見たような気がします。

もうひとつは、「映像、絵、歌、写真、ドラマ、アニメ、言葉、ストーリー(脚本)、、などなどいろいろある表現の形が詰まってるな」ということ。

最近、プライベートとは違うところで文章を書き始めたので、そのことによる視点の変化なのか、はたまたこの作品を見てそう思ったのか、それともその両方なのか、なんとも言えないところですが、この映画を見てそういった1つ1つの表現の仕方に、作り手の思いが込められているんだなあと感じてしまいました。

この映画を見終わると無性に「今思っていること、感じていることを文章にしたい」という欲求にかられました。

エンディングの歌が始まった瞬間、カバンの中にあったノートを引っ張り出して、暗闇の中ペンを握り、頭の中に思い浮かんだことを書き殴っていました。

こんな経験は本当に初めてなのですが、たとえば画家や音楽家の方が言う「他の人の作品に刺激を受けて〜」とか「だれだれさんにすごく影響されて」みたいな感覚がちょっとだけ分かったような気がします。

というわけで、映画を見たらなんとなく文章書きたい欲が出てきたので、この次は自分がどんな文章を書きたくなるのか期待したいと思います。

 

ではでは。